SASって何?
睡眠時に呼吸がとまる(10秒以上停止することが1時間当たり5回以上起こる)ことで熟睡できないため、昼間に強い眠気をもよおす病気です。
SASのリスク
◎事故の原因になる
昼間の強い眠気のため、集中力が落ちたり、通常では考えられない状況で居眠りをしてしまいます。仕事に支障が出るだけではなく、転落・転倒を起こしたり、交通事故を引き起こす可能性があります。
◎健康障害の原因になる
睡眠中に呼吸がとまるため、夜間に長時間の低酸素状態となり心臓に負担をかけます。そのため、「高血圧」「糖尿病」「心筋梗塞」「脳卒中」などを引き起こす誘因になります。中等症以上のSASを放置すると10年後には3~4割の方が死亡してしまうと言われており、早期治療が大切です。
SASってどんな症状があるの?
◎午後から異様に眠くなる、我慢できないくらいの眠気が襲う
◎周囲の人からイビキがうるさいと言われる
◎夜間に呼吸が苦しくなる夢を何度もみる
◎睡眠中、何度も起きる
◎朝起きたとき頭痛やだるさを感じる
◎気分が沈む
などがあげられます。気になる方は医師に相談しましょう。「SASの検査や治療」及び「CPAP治療※」ができる病院・クリニックをネットで検索し、受診したい病院が見つかったら電話やネットで事前予約を取りましょう。
※CPAP治療・・・機械で圧力をかけた空気を鼻から気道(空気の通り道)に送り込み、気道を広げて睡眠中の無呼吸防止する治療法です。
SASの原因は?
無呼吸や浅い呼吸は、就寝中にのど(上気道)が狭くなるために起こります。
◎肥満
肥満により、のどの周りに皮下脂肪がつき過ぎると、上気道が狭くなります。舌根(舌の付け根の部分)が肥大すると、いっそう狭くなります。
◎顎が小さい
顎が小さいと、のどの断面積も小さくなるため、上気道が狭くなります。SAS患者の3割はこのタイプです。
生活習慣で気をつけることは?
◎肥満にならない
〈食べる回数〉1日3食とります。欠食は逆に太りやすい体質になります。
〈食べる量〉腹八分目を心がけます。夕食は活動量が減るので控え目に。
〈食べる順番〉食物繊維の多い「野菜」「海藻類」「きのこ類」のおかずから食べましょう。
〈飲み物〉砂糖が入った飲み物(缶コーヒー・炭酸飲料・ジュースなど)は控えましょう。
〈間食〉・3食とるならおやつは要りません。楽しみで食べる場合も、カロリーチェック(100kcalくらいまで)をお忘れなく。・夕飯が遅くなる方の間食としては、おにぎりやサンドイッチがおすすめです。但し、夕飯は白米なしでおかずのみに。
〈運動〉まずは今の歩数より1000歩(10分)多く歩きましょう。
◎横向きに寝る
舌根や軟口蓋(口の中の後方で骨のない柔らかい部分)の落ち込みを軽くします。
◎お酒を飲みすぎない
飲酒量が多いとのどの筋肉の緊張を低下させるので、上気道が狭くなります。
◎睡眠薬に注意
睡眠薬はのどの筋肉の緊張を低下させます。主治医とご相談ください。
出展:eーヘルスネット厚生労働省 全日本民医連 いつでも元気 No.280
~協会けんぽ 福岡支部メールマガジン 第117号より