爪は皮膚が角化したもので、ケラチンと呼ばれるたんぱく質でできています。指先の保護や指先の微妙な感覚などにおいて重要な役割を担っています。
爪の状態は「健康のバロメータ」ともいわれ、ときに重大な病気のサインになることもあります。
●横溝ができる
身体になんらかの不調があると、爪の栄養状態も悪くなります。爪を作る毛母細胞に一定期間必要な栄養が送られないと、爪に横溝ができることがあり、糖尿病や亜鉛欠乏症などの影響が考えられます。また、横溝の位置からいつごろ不調が生じたのかを推測できると言われていますが、指一本程度にしか症状がみられない場合は、爪を噛んだり、ぶつけたりしたことが原因と考えられます。
●縦溝ができる
加齢が原因となるため、50代頃から増加する症状です。老化現象の一つなのであまり心配する必要はありませんが、進行すると爪が縦に割れやすくなることがあります。
●スプーン状に変形している
鉄欠乏性貧血になると、爪が正常の場合に比べて弱くなるため、爪が反り返った状態であるスプーンネイルになりやすいです。
●色がおかしい
*黄色っぽく変色している
黄疸などによって爪が黄色くなることがあり、肝臓や胆管の病気が原因の場合もあります。
*緑色に変色している
細菌の一種である緑膿菌に感染している可能性があります。湿度の高い環境を好む細菌であり、ジェルネイルや付け 爪をしている人は要注意です。
*白く変色している
爪白癬(爪水虫)になると、爪の色が白く濁って分厚くなります。カビの一種である白癬菌によって起こり、特に足の爪に多くみられます。
*赤黒い色の部分がある
内出血による変色の可能性が高く、打った、挟んだなどが原因と考えられます。
爪の症状だけで病気と判断することはできませんが、今までの爪と明らかに違う、もろい、割れる、色が変わった、変形しているといった場合は、身体の中で「何か」が起きている可能性があります。早めに皮膚科や内科でご相談ください。 出典・Medicalook ・日本皮膚科学会HP 皮膚科Q&A
~協会けんぽ 福岡支部メールマガジン 2022年5月31発行より