排尿という行為は1日に何度も行うものです。だからこそ、とてもデリケートで大切なものです。
〈正常な排尿とは〉
○1回の排尿量:200~400ml
○1日の排尿量:1,000~1,500ml
○1日の排尿回数:5~7回
○お腹に力を入れなくても排尿できる
○尿が途中で切れたり、なかなか終わらなかったりすることがない
○残尿感がない
○尿失禁や尿もれがない
○排尿後、すぐに尿意を感じることがない
○排尿をはっきり感じてからある程度我慢ができる
正常な排尿と比較して、いつもとちがうと感じたら、医療機関を受診するなど、すぐに対策を講じましょう。
〈主な泌尿器、前立腺の病気〉
○膀胱炎・・・大腸菌などの細菌が尿道に入り、膀胱に炎症を起こします。尿道が短い女性に多くみられます。症状は、排尿の回数が増える、排尿時痛、尿がにごるなどです。
○尿路結石・・・尿中のカルシウムやマグネシウム、尿酸などが腎臓で結石をつくり、尿管や膀胱などに詰まって激しい痛みを引き起こします。症状は、わき腹から下腹部あたりの激しい痛みや鈍痛、尿がにごる、血尿などです。
○前立腺肥大症・・・男性の尿道を取り巻く前立腺が肥大して尿道を圧迫し、排尿障害を起こす病気です。症状は、尿がチョロチョロとしか出ない、排尿に時間がかかる、夜間の頻尿、残尿感などです。
〈理想的な排尿のための食生活(腎臓、泌尿器)〉
○バランスのよい食生活を:食事がかたよらないよう、バランスよく食べましょう。
○減塩生活に取り組みましょう:身体の中のナトリウムの量は、排尿することで調整されています。塩分摂取量が多いと、調整役の腎臓に大きな負担をかけてしまいます。
(減塩のコツ) ・麺類の汁は残す ・醤油はかけずにつける ・汁物は具を多くする ・塩のかわりにレモン、酢、香辛料などを上手に使う ・ハムや練りものなどを食べ過ぎない
○カリウムを積極的にとる
カリウムは身体の中の余分なナトリウムを排出し血圧を上げる物質の作用を抑え、血圧を下げる働きがあります。ただし、腎臓病の状態によってはカリウム、たんぱく質、糖質などの摂取に制限がありますので心当たりのある方は、主治医に相談してください。
〈カリウムを多く含む食品〉
トマト、ピーマン、ねぎ、ナス、かぼちゃ、ひじき、バナナ、サツマイモ、さやえんどう、いんげん豆など。カリウムは水に溶けやすいので、生で食べたり、味噌汁やスープ、煮込み料理などで食べましょう。
~協会けんぽ 福岡支部メールマガジン 第90号より