紫外線による日焼けや光線過敏症
紫外線による代表的な皮膚トラブルといえば日焼けが挙げられます。強い紫外線によって皮膚がやけどを起こしている状態で、医学的には日光皮膚炎といいます。ひどい日焼けは、まずは保冷剤などで冷やすことが大切です。強い痛みがあったり、水ぶくれができている場合は、細菌感染症を引き起こすことがあるので早めに皮膚科を受診してください。紫外線に当たって起こる光線過敏症もこの時期、注意が必要な皮膚トラブルです。いろいろな種類がありますが、よく見られるものに、一部降圧剤や利用剤などによる薬剤性光線過敏症があります。飲み薬や貼り薬を使い始めたあと、顔や腕、首周りなど紫外線が当たった皮膚にかゆみを伴う発疹ができたり、かゆみが生じたりします。原因となっている薬剤を中止するとともに、しばらく患部に紫外線が当たらないようにします。
金属や植物による接触性皮膚炎
普段は金属製のアクセサリーをつけていてもなんともないのに、夏だけかぶれる人がいます。これはアクセサリーなどに含まれる、かぶれを起こしやすいクロムなどの金属が汗によって溶け出すためで、接触性皮膚炎といいます。金属だけでなく、革製の腕時計バンド、ベルト、鞄などでも起こります。
また、ハゼノキやイラクサなど植物による接触性皮膚炎も増加します。この場合、植物に触れた手で顔などに触れると、そこに飛び火してかゆみを生じることもあります。
かゆみやかぶれがあると、つい掻いてしまいますが、皮膚を傷つけ、皮膚トラブルを悪化させることがあります。患部にさわらずに、なるべく早く受診しましょう。なお、金属や革製品などによる接触性皮膚炎の場合、かぶれの原因となったものは身に着けないほうがよいでしょう。
あせも対策の基本は皮膚を清潔に
汗の出口がさまざまな理由により詰まって、汗が蒸発できなくなり、炎症を起こすがあせもです。汗を多くかく人ほどなりやすく、大人より子どもに多く発症します。首や脇の下、肘の内側や膝の裏側など、皮膚と皮膚、あるいは皮膚と衣服が触れ合うところにできやすいのが特徴です。あせもを放っておくと細菌が入り、あせものより(多発性汗腺膿瘍)を起こして膿むことがあります。このような状態にならないためにはこまめに汗をふき、肌を清潔にすることが大切です。入浴後、市販の軟膏をつけるのもよい方法です。症状が治まらない、ひどくなるといった場合は皮膚科を受診しましょう。
なお、気になる皮膚のトラブルがあるときは気軽に薬剤師にご相談ください。
~classA 薬局の健康情報紙 ライフ 2019年7月号より