健康寿命を伸ばすためには避けられない王道の話題「血管のはなし」を2回でお届けします。
〈日本人の死亡原因の少しこわい原状〉
厚生労働省が2017年に発表した統計によると、日本人の死亡原因(男女計)の1位は「悪性新生物(がん)」27.9%。2位は「心疾患」15.3%。3位は「脳血管疾患」8.2%でした。2位の心疾患と3位の脳血管疾患を合わせると1位の悪性新生物に迫る勢いです。心疾患と脳血管疾患の原因の大半を占める動脈硬化は様々な要因で血管が痛んでしまうことによって起こっています。健康寿命を伸ばすためには、がん対策と血管を大切にすることだと言えます。
〈血管には神経がないから大変!〉
耐え難いほどの痛みがあればなんとかしたいと思って医療機関を受診したり薬を飲んだりと、対策をとる方が多いと思います。でも、血管には神経がないので、ボロボロに痛んでしまっても自覚症状がありません。とうとう詰まったり破れたりして臓器に重大な問題が起きるまでわからないのです。
〈まず、どうしたらいいの?〉
こわい話が続きましたが、対策はもちろんあります。
毎年生活習慣病予防健診を受けることです。生活習慣病予防健診には動脈硬化を引き起こす可能性の高い様々な項目の検査が含まれています。さらにがん検診も含まれています。また、生活習慣病予防健診受診後の個別保健指導(無料)を受けていただければ、具体的な解説と生活習慣改善のアドバイス等も行っています。詳しくは協会けんぽにお問い合わせください。
〈血管を痛めてしまう生活習慣〉
○不適切な食生活(エネルギー・食塩・脂肪の過剰摂取)
○運動不足 ○喫煙
○過度の飲酒 ○過度のストレス
〈血管を痛めてしまう主な病気〉
○肥満症(特に内臓脂肪型肥満) ○糖尿病
○高血圧症 ○脂質異常症 ○高尿酸血症
〈メタボリックシンドローム対策が必要な理由〉
今までお話した内容は、内臓脂肪型肥満を中心にしたメタボリックシンドロームのことなのです。先ほどの病気が、単体では軽度でもいくつも重なると動脈硬化が急速に進んで心臓病や脳卒中などの深刻な病気を発症する確率が格段に高くなります。
〈わかっちゃいるけどやめられない 望ましくない生活習慣〉
テレビや雑誌、ネットなどでも健康情報は途切れることなく流れています。それでも血管を痛めてしまう望ましくない生活習慣を変えられない背景は人によって様々です。まずは、「変えてみたい」と思うことからはじめてみましょう。
生活習慣を変えていくための提案は次回で!
~協会けんぽ 福岡支部メールマガジン 第100号より