〈膵臓の主なはたらき〉
膵臓は胃の裏側にある、長さ15~20cmの細長い膵臓です。「膵液」を分泌して食べ物の消化を助けたり、血糖値を身体の状況に合わせて一定濃度に保つなど、重要な役割を果たしている臓器のひとつです。
〈膵臓の主な病気〉
○急性膵炎
膵臓の急性炎症です。主な原因はアルコールの摂りすぎや胆石と言われています。上腹部の痛みだけでなく背中まで痛みが広がることもあります。嘔吐や発熱があり、状態が悪化すると意識障害やショック状態など、重症化することもあります。
○慢性膵炎
膵臓の正常な細胞が壊れ、線維に置き換わる病気です(線維化といわれ、もとの細胞に戻りにくくなる)。原因は、男性では飲酒が一番多く、女性は原因不明の場合が多いようです。初期症状としては腹痛のみの場合もありますが、進行すると消化不良をともなう下痢や体重減少、糖尿病の発症や悪化が生じることもあります。
○膵臓がん
大きな特徴としては、早期発見が難しい点です。その理由として
①膵臓が十二指腸などの臓器に囲まれた奥深い位置にあり検査しにくい
②初期に特有の症状がない
③膵臓がんの症状が多くの他の疾患に似ており見つけにくい
④進行が早く転移しやすい(見つかった時は既に進行がんという場合もある)
〈膵臓がんの発症に関係するといわれる「危険因子」〉
○喫煙
喫煙はほとんどの研究で膵臓がんと関連していると示されています。今までのメルマガでも何度も喫煙の害については取り上げていますが、発がん物質を多く含み、動脈硬化も進めます。自分だけでなく周りの人にも同じような悪影響を及ぼします。今すぐ禁煙に取り組みましょう。
○多量飲酒
アルコールは膵臓に大きな負担をかけます。1日に1合程度の量であれば影響は少ないですが、3合以上の飲酒は膵臓や肝臓に負担をかけ、膵臓だけではなく様々な疾患の原因になります。適量飲酒を心がけましょう。
○肥満や、糖尿病、慢性膵炎などの病気
様々な研究において膵臓がんとの関係が指摘されています。肥満や糖尿病を予防する生活習慣は、動脈硬化を予防するだけでなくがん予防にもつながります。
~協会けんぽ 福岡支部メールマガジン 第112号より