「日本人女性の9人に1人が一生のうちに乳がんになる」。20年前は30人に1人、10年前は16人に1人だったと聞くと増加のスピードを実感でき、乳がんを身近な関心事として捉えやすいと思います。乳がんは早期に発見し、治療すれば90%が「治るがん」です。
【ブレスト・アウェアネス】って知っていますか?
ブレスト・アウェアネスは、乳房を意識する生活習慣です。日頃の生活の中で次の4つを行いましょう。
1.自分の乳房の状態を知る
日頃から「自分の乳房の状態を知る」ことがまずブレスト・アウェアネスの第一歩です。入浴やシャワーの時、着替えの時、ちょっとした機会に自分の乳房を見て、触ってみましょう。入浴の際に、石鹸を付けて撫で洗いもいいでしょう。
2.乳房の変化に気をつける
普段の自分の乳房の状態を知ることで、初めて変化に気付けます。しこりを探す(自己検診)という行為や意識は必要ありません。「いつもと変わりがないかな」という気持ちで取り組みましょう。
変化として注意するポイントは、
★乳房のしこり ★乳房の皮膚のくぼみや引きつれ
★乳房からの分泌液 ★乳頭や乳輪のびらん などです。
3.変化に気がついたらすぐに医師に相談する
しこりや引きつれなどの変化に気付いたら、次の検診を待つことなく乳腺外科病院や乳腺クリニックなどの医療機関を受診しましょう。大丈夫だろうと安易に自己判断することなく、専門医の診察を受けましょう。
4.女性は40歳になったら、2年に1回乳がん検診を受ける
乳がん検診の目的は乳がんでなくなる女性を減らすことです。現在、厚生労働省が推奨している乳がん検診(マンモグラフィ)は「死亡率を減少させることが科学的に解明された」有効な検診です。40歳以上の女性は、2年に1回、定期的に検診を受けましょう。また、「異常あり」という結果を受け取った場合には必ず速やかに精密検査を受けるようにしましょう。
【乳がんって女性だけのがん?】
乳がんといえば、女性特有のがんと思われがちですが、男性の乳がんもあります。男性は1,000人に1人が乳がんに罹患するとされています。男性の乳がんは、近年その数が徐々に増加しています。あらゆる年齢の男性に発症しますが、多いのは60~70歳代です。また、メタボリック症候群は男性乳がんリスクとなり、運動不足や肥満も要注意です。日々の正しい生活習慣の積み重ねが、がん予防に繋がります。
さぁ、今日から自分の乳房を見て触って乳がんを早期に発見しましょう。
参考文献:国立がん研究センターがん情報サービス「がん登録・統計」
乳がん検診の適切な情報提供に関する研究(厚生労働省研究班)
~協会けんぽ福岡支部 メールマガジン 2022年10月31日号より