「おとそ」は、元旦をお祝いするために飲むお酒です。漢字では「御屠蘇」と書きますが、「邪気を振り払い、魂を蘇生する」という意味がこめられています。ティーバッグに入った生薬を日本酒に浸したものが一般的です。おとそは、血行を良くし、胃腸の働きを活発にして身体を温めます。もともとは風邪予防のために調合されたのが始まりと言われています。
現在の習慣からすれば、一番偉い人や年長者から飲むものと思いがちですが、御屠蘇は逆。本家である中国での飲み方にならって、年少者から年長者の順に飲むのが正式です。一方、御屠蘇を注ぐ順番は、年少者には年長者が注ぐといったように、飲む順番とは逆の順にするのが本来のやり方のようです。ただし、厄年の人は、年少者であれ年長者であれ、最後に飲むというのが決まりです。御屠蘇の盃には、厄年以外の人が口にすると災いを追い払うと言われているので、最後に厄年の人が飲めば厄払いになるというわけです。
今年もよろしくお願いします。